2022年度自動化技術基礎講座

基礎講座の実施について
 2022年度の基礎講座を、全10回の開催を予定いたしております。 
 新型コロナウイルス感染に伴うリスクの回避の観点から、2022年度はWebセミナー(Zoom)形式で開催する
事と致しました。(※)開催方法やセミナーへの参加手順などの詳細につきましては、参加申し込みをされた方へ
別途メールにてご連絡いたします。
※2022年度基礎講座については、全ての講座をWebセミナー形式での開催と致します。

 はじめに
   本自動化推進協会は、製造現場における自動化技術を体系化し、継承と育成を図る事を目的として、メーカ・ユーザー・
  コンサルタント・学者研究者の横断組織として、1972年以降活動を続けて参りました。
  この自動化目標を実現させるための主要な活動として、1999年以降途切れることもなく実施して参りました「自動化推進
  基礎講座」の紹介です。
   この講座を受講し、基礎技術を身につけることによって、「自分流の自動化技術」が作られさらに成長する事で、より普遍的な
  技術として受講者に蓄積されていく事を願って、この活動を進めております。
  これまでの長年に渡る活動について「2018年度のロボット大賞 審査員特別賞」を頂くなど、当協会の活動が
  外部からも大きく評価されて参りました。

  2022年度も継続して自動化技術に関する全10回の基礎講座を実施致します。(一講座のみの単独受講も可能です。)
  年間を通し全講座を受講された方には、当協会より修了証をお送りしています。

  受講対象者: 主に若手技術者の社員研修としてご利用いただいています。

 皆様のご参加をお待ちしております。

受講料
会員価格:  10,000円/人
 会員資格: 法人会員A(5名様まで)、法人会員B(登録メンバー以外の参加も・1名)、個人会員・特別会員(1名)
非会員価格: 20,000円/人  ( 非会員、 上記会員で参加者枠をオーバーした方)

各講座の開講約1ヶ月前後に、会員の皆様にはメールおよびFAXにて受講のご案内いたします。
非会員の参加も歓迎いたします。 詳細をお聞きになりたい方は、お手数ですが当会事務局までご連絡ください。

申し込みはこちら

2022年度 自動化技術基礎講座日程

タイトル 開 講 日
東 京 関 西 名古屋
(1)自動化システムの基礎 2022年5月20日(金)
Webセミナー
統一開催 統一開催
(2)機械要素
(回転と直動を正しくガイドする)
2022年6月24日(金)
Webセミナー
統一開催 統一開催
(3)動力源
 3-1  空気圧の利用
 3-2  モータの利用
2022年7月22日(金)
Webセミナー
統一開催 統一開催
(4) -1 各種センサとその利用法
(4)-2 クリーンルームの概念と機械装置の発塵低減
2022年8月26日(金)
Webセミナー
統一開催 統一開催
(5)自動制御1
 (シーケンス制御の基礎)
2022年9月16日(金)
Webセミナー
統一開催 統一開催
(6) 自動制御2
(サーボ機構の基礎)
2022年10月14日
 Webセミナー
統一開催 統一開催
(7)部品自動供給の事例 2022年11月18日
Webセミナー
統一開催 統一開催
(8)ロボットの利用
 8-1 組立現場で利用するには
 8-2 加工現場で利用するには
2022年12月16日
Webセミナー
統一開催 統一開催
(9)機械要素(カム機構設計概論) 2023年1月20日
Webセミナー
統一開催 統一開催
(10)メカトロシステムの構成手法 2023年2月10日
Webセミナー
統一開催 統一開催
                    開講時間: 10:30〜16:30(各講座とも、休憩時間1時間含む)

2022年度 自動化技術基礎講座 講座内容

(1)自動化システムの基礎 (Webセミナーで開催)

講師:吉川 博氏 (吉川技術士事務所所長、技術士、自動化推進協会理事)
演題: 1.「自動化技術史」 2.「自動化設備の計画、設計」 3.「製品設計の改善と評価」 4.「設備の本質安全化」

生産の効率化、自動化・ロボット化を図り「ものづくり」にイノベーションを起こすことが急務です。 自動化技術基礎講座では、技術業務従事者のレベルアップを目指してメカトロニクス技術の基礎から学び直しのお手伝いをします。 第1回は「自動化システムの基礎」として、自動化技術開発の歴史を俯瞰し、 日常業務に活かすためのポイントを説明します。 また、自動化システム開発には、様々の条件下での複雑な解を探ることが必要で、 そのためのメカニズムの基礎知識と制御システムの組合せについても考察します。 近年、高品質で安定した製品を生産する過程で、労働負荷や安全・安心についての配慮が欠かせません。そのために必要となる「本質安全化」と「機能安全」の対策のポイントについても解説します。

(2)機械要素(回転と直動を正しくガイドする)  (Webセミナーで開催)

講師: 雨宮 容平氏 (THK(株)技術開発統括部 技術開発第一部)
演題:「回転と直動を正しくガイドする」

回転軸受を導入話題として、直動案内について説明する。直動案内は日本発の技術であるが、昨今、国際規格としても制定されている。この直動案内の種類と特徴と使用条件に合わせた選定方法について解説する。

(3)動力源(空気圧の利用・モータの利用) (Webセミナーで開催)

3-1 空気圧の利用
講師:松 信夫氏 ((株)コガネイ)
演題:「空気圧駆動と伝達機構の選定」

空気圧は、取り扱いが容易、イニシャルコストが安い等の特長によって多くの自動機に利用されている。この駆動機器には多くのタイプがあるが、特徴を活かすためには使用条件に応じた選定が必要である。この単元では、空気圧駆動機器についての基礎技術と選定の方法、実用事例で見受けられる間違った使い方を解説する。更に空気圧駆動例題についても問題と回答についての解説を行う。

3-2 モータの利用
講師:持永 元喜氏 (元三菱電機(株))
演題:「モータ駆動と伝達機構の選定」

モータは電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電磁機器だといえる。モータには直流モータ、交流モータ、ステッピングモータ、サーボモータなど様々なタイプがあり、それぞれの長所と短所を理解した上で、コストパフォーマンスを重視した選定が望ましい。この講座では、モータの基礎、モータと伝導機構、容量選定、制御の基礎、メンテナンスについて解説する。

(4)前半:センサ、後半:クリーンルーム (Webセミナーで開催)

4-1 各種センサとその利用
講師:山崎 保範氏(2’ysものづくり研究所 所長、自動化推進協会 理事)
演題:「各種センサとその利用」
 センサはロボットを含む機械装置にとって、自身の状態や外部状態を認識する手段である。そのような意味から、マイクロスイッチも機械的なセンサであり、3Dビジョンはソフトウエアを用いたセンサシステムである。
 センシング対象は、位置・圧力・加速度など多岐にわたり、使い方もON/OFFのスイッチ的なものからリモートセンシングとして値を利用するものまである。
これらのうち代表的なものについて、原理・考え方・その利用例について、解説する。

4-2 クリーンルームの概念と機械装置の発塵低減
講師:山崎 保範氏(2’ysものづくり研究所 所長、自動化推進協会 理事)
演題:「クリーンルームの概念と機械装置の発塵低減」
 クリーンルームでの生産・作業は、半導体、液晶・有機EL表示体、精密・光学機器にとどまらず、食品、薬品、細胞・遺伝子編集などにまで及んでいる。 労務費が高い日本においては、付加価値の高い製品を扱うクリーンルームでの生産を積極的に推進しなければならない。
ここではクリーンとは何かをまず解説し、クリーンルーム内のクリーン度を保つための方策として使用機械装置の発塵量の低減方法などを教える。

(5)自動制御1 (シーケンス制御の基礎)(Webセミナーで開催)

講師:子安  啓一氏  (KYSKシステム)
演題:「初めてのPLC取り扱いとシーケンスプログラムの考え方」
自動機の制御では、ほとんどがPLC(シーケンサ)を使って制御しています。
本講座では、PLC(シーケンサ)のシステムを構築する上で必要となるハード、プログロムの概略命令、試験方法のポイントを解説します。
1.PLCの取り扱い
2.ラダープログラム概略命令と考え方
3.試験方法
4.保全の概略
 

(6)自動制御2 (サーボ機構の基礎)  (Webセミナーで開催)

講師: 伊藤 宣男氏 (三菱電機(株) FAフィールドエンジニアリング部)
演題: 「サーボ機構の基礎 」

講座内容:サーボ機構を使用した機械の例を説明した後、サーボモータを駆動源とするサーボ装置を使用するための次の基礎項目について説明します
 @ サーボ機構にゲイン調整が必要な理由 及び ゲイン調整で発振する理由
 A サーボ機構の基本的な制御器(比例・積分制御器)の動作と調整方法
 B 位置決め指令に対するサーボ機構の動作特性  など

(7) 部品自動供給の事例(Webセミナーで開催)

講師: 山崎 保範氏 (2’ysものづくり研究所 所長、自動化推進協会 理事)
演題: 部品自動供給の事例

 加工工程においては、規格化が進んだ比較的単純形状の“素材”を、NC装置のような自動加工機に供給・搬送するだけで自動化が達成できる。一方、組立工程において扱う“部品”は、文字通り千差万別であり、その供給・搬送の方法・装置も多岐に渡っている。これらのいくつかの代表的な事例を、自動組み立てシステムと併せて、専用的なものからビンピッキングのようなロボット的なものに渡って紹介する。この際、どのようにしたら装置を汎用化できるかをキーポイントとして解説し、組立システムの汎用化への展開を考える。

(8)ロボットの利用 (Webセミナーで開催)

8-1. ロボットの利用(組立現場)
講師: 奥野 立男氏 ((株) ホカムラ)
演題: 「組立現場で利用するには」
講座内容:小型組立用ロボットの特長を活かしたロボット実用化事例を中心に、組立現場でのロボットシステム構築の考え方
       及びその手法について学ぶ。又、生産のトータルコスト低減をめざした設備の低コスト化並びに工場の管理間接機能
       合理化へのロボット活用手法についても学ぶ。

8-2. ロボットの利用(加工現場)
講師: 岩木 祐二氏 (日本サポートシステム(株))
演題: 「加工現場で利用するには」
講座内容:ロボットの工業適用は“加工現場”から始まった。加工現場で活躍するロボットの考え方・機能について解説するとともに、
       溶接・ハンドリングなどの実際の適用例と導入効果をあげるためのノウハウを紹介する。

(9) 機械要素 (カム機構設計概論) (Webセミナーで開催)

講師:香取 英男氏 (テクファ・ジャパン(株) 代表取締役)
演題:カム機構設計概論(カムの設計・製作に要求される機構学的な事項)

カム機構は、最近では、微小な半導体や電子部品などを高速かつ多量に製造する機械に、数多く用いられている重要な機構の一つである。その理由は、カム機構の設計・製作を適切に行えば、長期間にわたって信頼性の高い性能を発揮できるからである。
そこで本講では、産業界において、もっとも使用頻度の高い、リンクを含む平面的なカム機構に絞り、いくつかの基本かつ重要な留意点を示し、実践的な設計能力を身につけることを目標とする。

<題目>
1.カム機構の構成に必要な要件
2.カム機構の形式とその体系的な分類方法
3.カム曲線とは
4.カム曲線を選定する際に考慮すべきこと
5.カム機構の幾何学的な限界をチェックする方法
6.カム軸トルクの算出方法
7.設計の手順
8.カム機構の標準的な図面の書き方

(10)自動化システムの構成手法 (Webセミナーで開催)

講師:飯田 詢氏 (飯田技術士研究所 所長、自動化推進協会理事)
演題: 「自動化ユニットとその組み合わせによる自動化システムの構成手法」
 本講題は、自動機及び自動化システムを設計する際に必要とする基礎的な技術及びシステム設計手法を、
事例を基に、主な講目を5章に分けて解説する。
1.自動化要素: 動力源の特性、運動特性、駆動機構、作業機構等の解析及び説明
2.センサー: 自動機に搭載するセンサーの過酷な設置環境に対する選択及び設置対策
3.自動化ユニット: 自動機の最小単位としての機種、方式、特性を、動作、制御を含めて解説する。
4.自動化システムの構成と選択:システムの方式は数多くあり、その選択は個人の技術レベル及び感性で
 決まる。その際の参考として、事例と選択手法を紹介する。
5.自動化システムの設計手法: 実際に市販自動化ユニット、自製エアープレス、カム機構(P&P)をベースM/Cに
 組込み、各ユニットの駆動、ローカル制御と本体総合制御システムの制御回路の構造を説明する。